リチャード・パワーズの「オルフェオ」を読んだ。
最初はちょっと入りにくくて、しばらくうっちゃっていたのだが、途中からがぜん面白くなった。
前衛音楽家がいかにしてテロリストになったか、というようなストーリーだが、ロックンロールやビートルズもちょこっとだけ出てくるし、1941年生まれの主人公が60年代をいかにやり過ごしたか、とか興味は尽きない。
文章のリズムが歯切れよく、過去形と現在形が混在し(「歴史的現在」というのか、過去のことが現在形で語られ、「現在」のことが過去形で語られる)、現代音楽の知識がないとよくわからない部分も多いけれど、それでも面白い。
「彼女も名付けることさえできないものを求めながら死んでいくのだろう」(273p)
ぼくもきっとそうなのだ。でも生きのびよ、とこの本はぼくにうったえる。
いまはそうすることにしよう。