2016年7月28日木曜日

固有の瑕疵:Thomas Pynchon


「Inherent vice」という映画を見ていたら、ニール・ヤングの曲が流れてきた。70年のLAが舞台の映画だから不思議ではない。
最近の Neil Young はほとんど聞かなくなった。特に理由はないけど。
映画では、「Harvest」と「Journey through the past」が使われていた。
「スキヤキ」が出てきたのにはちょっと驚いた。

映画はメッチャ面白かった。ので、原作を読むことにした。ピンチョンの最新作だ。
近所の図書館と県図書館を調べたが、蔵書にないので、買うことにした。

映画音楽を担当したのは Johnny Greenwood で、Radiohead のメンバーだという。
サントラと、Radiohead の「The Bends」を聞いてみた。うーん、どっちも還暦寸前ジジイにはちょっとなじめず。お、でも、途中からいい感じになってきたぜ。

原作の訳は佐藤良明センセ他1。かなりくだけた訳だが、ちょっとやりすぎ感もただよう。そのへんのあんばいがむずかしいのよね。

2016年7月26日火曜日

会社員と恋愛:point of view

「尻尾と心臓」は、会社員小説である。そんなジャンルがあるのかどうかはよく知らないけど、まあ、いいか。
伊井直行は昔からよく読んでいたので、何も考えず手に取る。「群像」連載。
彼と彼女が3人称で語られる。「会社」が進める新製品開発にまつわるあれこれ、と書くと何にもないような話だが、読めば面白い。

「マチネの終わりに」は、恋愛小説である。そういう風に銘打った小説をふだんあまり読まないので、じぶんとしてもちょっと意外だが、面白い、と勧める人がいた。
平野啓一郎の本を読むのは初めてで、こっちは毎日新聞連載、とある。
こちらも彼と彼女が主人公。新聞連載のせいか、山場が次々に出てくるし、連載を読んでいる人には、ハラハラドキドキ楽しいんだろうな、と思う。

奥泉光といとうせいこうが「文芸漫談」で、3人称多元小説について話している。
奥泉「語り手が登場人物の誰の視点にも入り込むことができる、ある意味、自由な書き方。でもこれはリアリティを失いやすいというデメリットもある。」
いとう「都合よく見えちゃうんですね。作家がなんでもわかっていて、好きに人物を動かしているように見える。」
(文芸漫談 シーズン4 夏目漱石「門」を読む)

「3人称・人物視点(複数主格)」と「神の視点」とは違うんだな。
語り手は誰か、彼はなぜすべてを知っているのか。

ふと気になって片岡義男の昔の短編を見てみる。
「彼はいま羊飼い」(「いい旅を、と誰もが言った」収録)。男女が主人公のようではあるけれど、彼らの内面はほとんど描かれない。語り手は「神」だろうか。

ムラカミの作品を論じた文章はたくさんあるのに、片岡の小説を論じた文章は、ネットで探してみてもほとんど見当たらない。彼が「カドカワ」の申し子だったから? 



2016年7月17日日曜日

個人的な見解:wowow

ユーロはあっと驚くポルトガルの優勝で終わった。まあでも、フランスは決勝まで行ったし、大会としてはよかったんじゃないの。
全体としては、得点が入らない試合が多く、守備に重心を置いたチームが勝ち残った印象が強い。アイスランドやウェールズなど、初出場のチームは、やはり失点しないことをまず考えるだろうし、それがどうということではないけれど、遠くの Japan でテレビ観戦している身からいえば、なんだかな、もうひとつだなと思っても、責められる立場ではない。

テレビ観戦で何が困ったかといえば、wowowの実況と解説だった。
wowowとは4年に一度しか契約しないのだから、文句を言う筋合いではないのかもしれないが、困った。ほとんど場合、音を消すか、わずかな音量で見ていた。それでも耐えられないときは、サブチャンネルの英語音声に切り替えた。

サッカーファンのすそ野を広げたいという、局側の事情を考慮しても、聞くに堪えないものだった。
普段聞いているスカパー実況と解説陣で、ユーロを見てみたかった。

ドイツが出るときは、鈴木良平さん、イングランドは粕谷。やっぱりこれでしょ。


2016年7月15日金曜日

おもしれぇ!:BBB Be-Bop

奥泉光の「ビビビ・ビ・バップ」を読んだ。おもしれぇ!!
決してこの作者の熱心なファンというわけではないのですが、この人はおもしれぇ!

なんかの拍子に、「クワコー」シリーズを読んで、気に入り、前作の「東京自叙伝」も読んだ。軽い語り口の長編に魅力あり。(昔の純文学ぽいのは、まだ読んでないので、偉そうなことは言えないけど)。

基本SFなんだが、タイトル通り、ジャズの演奏シーンがたくさん出てきて、それも、だれもが知っているような、ジャズの巨人たちと、主人公がセッションするというようなシーンがふんだんに出てきて、なるほど、そう来たか、と。
語り手は猫なので、「吾猫」につながる変奏、オマージュ、そういうものかもしれず。

今月の一首

止まりたいところで止まるオルゴールそんなさよなら言えたらいいのに / 杉崎 恒夫