34年前には、もちろん読んでいなかった。作者が自分と同じ56年生まれだということは、なんとなく知っていたかもしれない。
そのころ、何を読んでいたのか思い出そうとしたけれど、わからない。
「ガープの世界」に出会うのはもう少しあとだし、ルグィンの一連の本を読むのもちょっとあとのこと。ヴォネッガットはどうだったか?
いずれにしろ、ダブルムラカミ以外の日本の作家はほとんど読んだことがないという気がする。
「もとクリ」は、1980年の「ぼくたちの物語」としては、いまでも有効かと思う。書かれている生活のスタイルを受け入れられるかどうかは別として。
音楽(もちろん洋楽だが)についても、これだけたくさんの注が書かれているとは思わなかった。主人公は「パイドパイパーハウス」の常連だという設定だし。
「いまクリ」は、小説というよりなにか別のもののようだが、うまく規定する言葉は見つからない。作者の「もと政治家」としての言語感覚は、このような文章から生まれているということがよくわかる。
「もと」と「いま」通して、「注」の索引があると、いうことないけど。
「もとクリ」注303:「こういう、キリギリスみたいな人が、戦争でも始まると、率先して戦争讃歌を歌う人になるのです。」
さてこれは誰のことでしょう? 幸いにもそれから「戦争」はなかったので、讃歌もなかった? のかな。
あの人です、「精霊流し」のひとです。



