2010年1月11日月曜日

anti-antiaging:温泉で本を読む

オヤジとふたりで温泉へ行った。こちらから誘ったのではなく、あくまでもオフクロの代わりの、同伴である。
本を2冊持って行った。ムラカミ訳の「さよなら、愛しい人」と、熊谷達也の「オヤジエイジ・ロックンロール」。
「さよなら」の方はもうほとんどおしまいの方だけ残っていた。以前早川文庫で読んでいたので、ストーリーはあまり追わないように読んだけど、そういうわけにも行かず、つっかえつっかえしながら長い時間がかかった。会話と情景描写、がやっぱりおもしろいのだな。そういう文体だ。

「オヤジエイジ」は、直木賞受賞作家の作品だった。前半は、なんだこれ? という感じ。後半さすがに少しおもしろくなったが、この程度? だった。うーん、そうじゃないだろ、ということの方が多かった。
どのように音楽をとらえるか、の違いか。

51才、中間管理職の主人公がある日、楽器屋に紛れ込んで、ひょんなことからギターを買う羽目になり、あげくはバンドを作って、「オヤジバンドコンテスト」で優勝! というストーリー。
主に演奏されるのは、ディープ・パープルのコピーと、ゼペリンのコピーだ。もちろん。
最近の小説なので、主人公はぼくより三つ年下ということになる。彼は大学生時代やっぱりそういうハードロックのコピーバンドをやっていた、というベースがあっての話の展開だ。

「ロックンロール」が、ハードロックのバンドと直結するのは、別に不思議じゃないし、まあ、別にどうでもいいんだけど、どうもこの手の展開には、うんざりだ。
確かに、ぼくらの世代にも、パープルやゼペリンは王様だったし、ぼくもそれらの洗礼は受けた。でもすぐに、興味はオールマン・ブラザーズ・バンドやフリーに行ったし、レナード・スキナードやウィシュボーン・アッシュに行った。ずっとゼペリンオンリー、などというのはちょっと考えにくいのだけど。
まあ、音楽の趣味は、人があれこれ言うことではないから、いいんだけども。

スカパー!で日経新聞主催のオヤジバンドコンテスト(おとなのバンド大賞)を無料放送している。ときどき見る。うんざりするときもあるけど、へー、と思ってみるときもある。
アマチュアのオヤジたちが、バンドをやることを別に否定したいわけじゃない、でも積極的に応援したい気にもなれない。
仕事しながら、音楽も楽しんでます、みたいな雰囲気がどうもね…

小説に話を戻す。
演奏シーンの描写にはぜんぜん納得できなかった。歌詞をそのまま載せるのも(このバンド"T.K.G."は、最後はオリジナルで勝負するのだ)、どうかなと。ぜんぜん共感できない。
まあ、いいんだけど、それは。

音楽にまつわるもろもろを書きこんだ小説をまたいつか、自分でも書こうと思っている(むかし書いた作品4の2の書き出しはここ)自分のようなものにとっては、この小説はいい意味での反面教師だったかもしれない。こういう風には書いてはいけないぞ、と。

いつ書くんだと、ぼくを責めないでくれ。書きたいという気持ちが、ちゃんとぼくのハートをいっぱいにするまで、待っていておくれよ。
もっと、ちがう方法があるはずだと思っている。

ところで。
温泉はいい湯だった。だけど、アルカリ性が強くて(ph10.1)、オヤジ性乾燥肌のぼくには、少し刺激が強すぎたので、長湯はしなかった。