2018年7月2日月曜日

梅雨前線

松本から南へ下る列車の中
おいらまるで毛足の短いのら犬だ
すすけたガラスにひたい押しあて
ぶるっとひとつこの体ふるわせる
もう随分まえのことだよ
夕日が沈んでいったのは
今はただむこうを走るトラックの
ヘッドライトだけが見えかくれ

相棒とは別れたばかり
でもしばらくは大丈夫さ
大粒の雨が窓を濡らしはじめた
そう梅雨前線が張り出したようだ

-いとうたかお / Booking office (1976)