2012年9月14日金曜日
Nocturnes:シンガーソングライターは嫌われる
カズオ・イシグロの「夜想曲集」という短編集を読んだ。
カーヴァーを思わせるような、シビアでしかも滑稽な話とか、音楽にまつわるいろんなシチュエーションをうまく切り取った短編が並んでいる。
「モールバンヒルズ」という話には、シンガーソングライター志望の若者と、ドイツやオーストリアなどのレストランや街角で演奏をしている夫婦が出てくる。
若者はロンドンでいろんなバンドのオーディションを受けるのだが、自作の曲をやるとみんなそっぽを向いてしまう、というエピソードに笑った。きっとそういうものなんだろうな。
隣に並んでいるのは集英社の「コレクション戦争と文学第2巻ベトナム戦争」。小田実や開高健、吉岡忍、辺見庸、村上龍など、むかしよく読んだ人たちの短い作品が並んでいる。
読んでみると、なつかしい。こういう作品に対して「なつかしい」という感想ですませてしまうことには抵抗もあるだろうが、それなりにこの人たちの文章を読んできたのだということを、ただなんとなく確認したかっただけなのかもしれない。
