2017年10月28日土曜日

ゲド戦記

たえまない嵐に見舞われる東北の海に、ひとつだけ頭をつき出す海抜千六百メートルほどの山がある。全島山のこの島の名はゴント。そして、このゴント島こそは数多くの魔法使いを生んだ地として古来名高い島である。その深い山ふところの村々から、あるいは、また、暗い色をたたえた狭い入り江の港町から、遠く旅立っていったゴント人はその数を知らず、ある者は魔法使いや賢者となって多島海諸地域の領主たちに仕え、また、ある者は旅のまじない師として人びとに魔法を施しながら、アースシーの島々を冒険を求めて経めぐり歩いた。

-アーシュラ・K・ル=グウィン / 「影との闘い」ゲド戦記1(1968)



左から:「イシ 北米最後のインディアン / シオドーラ・クローバー (1961)」
「オルシニア国物語 / アーシュラ・K・ル・グィン (1976)」
「影との戦い / 同 (日本語版、1976)」
「マラフレナ / 同 (1979)」