昔と違って、あまりしゃべったことのない人と酒を飲むことが多い。
隣になった人との共通の話題はないから、当たり障りのないところで、まず、「趣味は?」みたいな話になる。
これが結構むずかしい。
相手がどんな話題を望んでいるのか、見極めなければならない。
こちらサイドのテーブルには、こんなメニューが載っている。
1.薪割り 2.自転車 3.音楽 4.小説、本 5.サッカー 6.外国語 7.映画
順番には意味がないが、さて何をほうり込んでみるか?
このあいだの飲み会では、隣には自分よりすこしだけ若い男性がいて、なんとなく洋楽の話を出してみると、これが意外にぴったりはまって、ついには、相手のお気に入りがマリリン・マンソンだということまでわかって、おお、そこまで言うなら、こっちだってG・デッドという切り札を出さずにはいられない。
少し前に旅行に行ったときには、ゴルフはするのか? と聞かれたので、いや、自転車にときどき乗っている、というような話をしていたら、いつのまにか、酔っぱらって自転車に乗ってあれこれ、という失敗自慢みたいになってきて、まあ、やっぱり健康が一番ですよ、という陳腐な結論にいたって、閑話休題。なんだかね。
薪割り友だちもいることはいるけれど、映画や本の話となると、うんと遠い銀河系の彼方のようだ。
俳優の何とかさんのいとこだ、という人がいて、おお、そう来たか、こちとら、ワハハのS田嬢、いまや売れっ子男優のE口、と一緒に仕事をしたことがあるぞ! と話を振ってみるものの、なんだかぜんぜんのってくれず、そこで話はとぎれてしまう。
なんですかね。趣味というのは。
外国語学習が趣味、というのもなんだけど、それも一応仲間には入れておく。以前、ビアガーデンで飲んでいたとき、英会話教室に通っている、というオジサンがいたので、こっちはドイツ語の勉強中だと話を振ってみたけれど、いまひとつ会話が弾まないまま、終わってしまった。
向こうには英会話を仕事に生かして、あれこれ、というようなもくろみがあるのに、こっちにはドイツ語を生かして、なんかする、というその「なんか」が何もないので、たぶん受けないのだろうと思う。
「なんか」がなければ、何もする意味がないのか? え、おい?
だって。からんじゃいけませんね、ホントに。