
さて、今回のミッションは、この薪である。堤防の下の河川敷に、1メートルくらいに切られた雑木が積んである。去年の暮れから、ときどき見かけて、気になっていた。持ち主がいないかといつも探すのだが、人がいたことがない。
ある日、持ち主探索をしてみた。持ち主と思われる人に連絡すると、いいから持って行け、という。ずいぶん気前がいいのだなと、感謝。
現場に行って、薪の山の前に立って、納得がいった。トラックは近づけない(堤防の上に見えているところまでだ)。担いで堤防を登るしかないのである。
写真で見ると、なんでもない坂のようにも見えるが、歩数でいけば20歩以上はある。階段も何もないから、踏ん張れず心もとない。
一日目、トラックに一杯分運んだら腰が痛くなった。2日目、太いやつはロープをかけて引っ張りあげた。少し楽になった。
あいかわらずこんなことをしている。
こういう単純労働をしているといつも、ポール・オースターの「偶然の音楽」を思い出す。長さ600メートル、高さ6メートルの石の壁をふたりの男が、積み上げていく。あれを思うと、たいがいの仕事は朝飯前に思えるから、想像力というものはたいへん便利なものだと思う。
そうそう、丸太を肩に担いで坂を登ると、今度は十字架を背負った誰かさんのイメージが浮かんでしまうのも困ったもので…